コロナ危機で浮かび上がったDX推進の課題
2020年4月、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発令を受けて、企業は一斉にテレワークへと舵を切った。直後に日経BP総合研究所 イノベーションICTラボが3,000社を対象に実施した「テレワーク実態調査」は、日本企業のテレワーク導入状況を明らかにしただけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進レベルに企業ごとに大きな差がある現実も浮き上がらせた。
テレワーク導入には勤務制度や人事評価制度の見直しが必要だが、それ以前の問題もある。ノートPCなどのデバイスや、社外から業務システムへアクセスするための仕組みが整っておらず、テレワークを導入したくてもできない企業は少なくないのだ。DXの推進基盤ともいえるIT環境の未整備は、そのままDXの推進レベルに結びつく。
同調査では、「DXプロジェクトで成果を上げている」と回答した企業は26.3%にとどまった。取り組みの本気度と実際の成果は必ずしも一致しないようだ。それはなぜか――「DXはデジタルによるビジネス変革と新しい価値の創出。日本企業は既存業務の効率化は得意だが、まったく新しい取り組みは不得意」とDXコンサルタントは指摘する。
ではどうするか。デジタルを活用してビジネスを変革し、確実に成果に結びつけるために、日本企業が採るべきアプローチとは――数々のDXプロジェクトを成功に導いてきたコンサルタントとともに、「ヒト」「カネ」「モノ」の視点からDXで成果を上げるためのポイントを考えてみたい。

