新たな標準プラットフォーム構築に伴い、バックアップシステムも一新

 近鉄グループホールディングス(以下、近鉄GHD)は、近畿日本鉄道(以下、近鉄)を中心とする近鉄グループの持ち株会社である。グループ会社は運輸、不動産、流通、ホテル・レジャーなど約150社あり、人々の暮らしに関わる多彩な事業を展開している。

 近鉄グループの鉄道網は近畿・東海の2府4県にまたがり、路線距離は私鉄最大。特に特急の種類と運転頻度の多さが特徴的で、その運行は複雑を極める。そのため1960年から特急システムを電算化するなど、IT活用には力を入れてきた。

 公共交通を担う企業としてBCP計画は厳しく策定されており、システムの可用性への要求は高い。近鉄グループホールディングス株式会社 総合企画部 課長 伊東剛志氏は、「当社の鉄道は広域にわたるので、例えば近畿地方が大きな災害に遭い運転停止をしても、東海地方の損害が大きくなければ運行を継続しなければなりません」と説明する。生活インフラサービスを提供する企業グループで、かつ顧客情報も多く扱っており、高い機密性、可用性が求められる。他方で、今後は運用負荷を軽減しながらも機動的なシステムの管理運用を実現していくことも求められた。そのためにもグループとしての新しい標準プラットフォームの必要性が高まり、その構築に着手した。新プラットフォーム構築にあたり、同社が選択したのはクラウド活用であった。伊東氏は、「クラウド活用が不可避と考えましたが、当初はクラウドに対する経営側の懸念もあり、データ保護やセキュリティ含め慎重に検討しました」と語る。

  そのなかでまず課題として浮上したのが、ビジネスデータのサイロ化、そしてバラバラに運用されているバックアップシステムで、運用に手間もコストもかかっていた。新プラットフォーム構築と同時により良いサービスを迅速に構築するため、システムの内製化にも舵を切っていた近鉄GHD。バックアップについても自分たちで柔軟に設定や変更が可能で、既存のオンプレミスもクラウドも一括で管理でき、万一の場合確実にデータを戻せるシステムを探し始めた。同社が最終的に選択したバックアップ手法とはどのようなものなのだろうか?

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