会計・経理、人事・給与、販売・在庫など経営資源管理に必要な基幹業務が統合されたERPは、いまや多くの大企業・中堅企業にとって欠かせないシステム基盤だ。従来は基幹業務システムの中核として安定稼働が最重視されていたERPだが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進とニューノーマル時代の到来によって、徐々に求められる要件が変わりつつある。これからの時代にふさわしいERPとは?

 コロナ禍の影響は、あらゆる企業の経営環境や事業構造、従業員の働き方など多岐に広がっている。企業が導入・運用している情報システムも例外ではなく、在宅勤務を実施するために急いでテレワークの実行環境を用意し、社内ネットワークや情報セキュリティーを見直した企業は多い。

 そんな情報システムへの影響は、企業の基幹業務を支えるERPにも及んでいる。従来のERPは経営課題の解決を目的に導入し、業務の最適化、意思決定の迅速化、コンプライアンス対応などを達成するために活用されてきた。ERPで最も重視されたのは、システム基盤が安定稼働し続けることだった。

 ところが、いわゆる“2025年の崖”問題が話題となり、デジタル技術を活用してビジネスを変革するDXの取り組みが始まると、ERPに求める要件は徐々に変わっていった。もちろん、新たな経営課題の解決に向けてERPのさらなる進化は続いているが、そうしたERPの機能を補完する周辺システムとの連携が必要とされるようになったのだ。

 例えば業務処理のトレーサビリティー確保や業務管掌、権限の明確化などガバナンスの強化を目的にワークフローシステムとERPを連携させたり、会計処理精度の向上や予実分析の迅速化、予算策定の早期化など会計業務の強化を目的にBIシステムとERPを連携させたりすることは、すでに多くの企業で行われている。つまり「経営課題を解決できる安定したシステム基盤」という従前からの要件に加え、これまでの取り組みを強化・深化・集約化・迅速化するために「周辺システムとの連携が可能なシステム基盤」という要件がERPには求められるようになったのだ。

 そしてコロナ禍をきっかけに、ニューノーマル時代が到来し、ERPに求められる要件はさらに変化しつつあるという。

 これからの時代には、どのようなERPを選ぶべきなのだろうか。NTTデータ・ビズインテグラルのコンサルタント、小笠原健氏に話を聞いた。

株式会社NTTデータ・ビズインテグラル
コンサルティング事業部 コンサルティング部 リーダ
小笠原 健氏

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