“Digital Inclusion”を提唱し自ら積極的にDXを推進

 デジタル変革に向け、既存システムをどのように刷新していくか――。これは多くの日本企業が直面する、最重要課題の1つである。

 国内製造業で多く採用されているSAP ERPはサポート期間が2027年まで延長されたが、これで課題が解決されたわけではない。SAP S/4HANA(以下、S/4HANA)への移行タイミングで発生するハードウエアの調達コストや、その後の長期的な運用負担を削減するため、クラウド化を検討することはCIOやIT担当者のみならず、経営課題として考える企業も少なくないはずだ。実際、膨大な運用費用が企業のDX促進やセールスのトップラインを伸ばすイノベーションへの足かせになっていることが多い。

 クラウド基盤側は、既に基幹系の稼働に対応したサービスが整っている。それでも二の足を踏みがちなのは、「クラウド化でどの程度の効果が見込めるのか」を、事前に明確化することが難しいからだといえるだろう。

 だが現在は、ある方法によって効果の可視化を事前に行い、スムーズにクラウド移行を進める事例が出てきている。その一例がNECのケースだ。

 同社は、ITサービスからサーバーなどのコンピュータ機器、携帯電話基地局などのネットワーク機器、放送機器、人工衛星まで幅広い事業を展開している。2016年には「デジタル技術の進展が隅々まで浸透した社会」として“Digital Inclusion”を提唱。その実現に向け、自らもデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。

 変革に向けたプロジェクトの1つとして進めているのが、基幹系を中心とした社内システムのクラウド化だ。SAP ERPをS/4HANAに移行すると同時にクラウド化することを決め、そのプロジェクトを推進。また、同社にはほかにも600以上の社内システムが存在するが、これらも順次クラウド化していく計画だという。

 NECがこれだけ大規模なクラウド化に踏み切れた理由とは。そして、このプロジェクトはどのように進んでいくのか。同社の取り組みを基に、「基幹系クラウド」実現のポイントを読み解きたい。

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