医療の高度化には病院のICT環境の最適化が不可欠

 人々の生命と健康を支える医療とICTは、切っても切れない関係にある。現在の医療はICTの活用なしに成り立たないと言っても過言ではないからだ。

 診療情報や診断画像は電子化され、電子カルテとして統合管理されている。治療方針や投薬の指示は、この電子カルテを基に行われる。コロナ禍でニーズが高まっている遠隔診療にも、ICTの技術が欠かせない。医療ビッグデータやAIの活用も進んでいる。AIが医師の診断をアシストしたり、患者が“AIドクター”の問診を受けたりする。そんな「未来医療」がすぐそこまできているのだ。

 こうした医療の高度化を推進するためには、バックオフィスを含む病院のICT環境全体の最適化が欠かせない。システムを安心・安全に利用できなければ、患者に寄り添う質の高い医療は提供できないからだ。この実現に向け、積極的な取り組みを見せているのが、国内最大規模の医療法人として知られる徳洲会グループである。

 「患者のための最善の医療」をモットーに、全国で約70病院と約340施設を運営する。「生命だけは平等だ」の哲学のもと、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、医療の原点である救命救急医療はもちろん、予防医療・慢性医療から先進医療に至るまで、地域の要望に応える医療を実践し、各地域で信頼と実績を積み重ねている。

 その一員として、病院向けシステムなどの開発・運用を担う徳洲会インフォメーションシステム(以下、TIS)は、グループ病院のICT環境に課題を抱えていた。従来の仮想基盤は、サーバー、ストレージ、ハイパーバイザーなどのコンポーネントを組み合わせる3層アーキテクチャ。コンポーネントを個別に調達するため、コストがかさみ、構築作業や運用管理も煩雑化していたという。

 この課題を解消するため、既存のICT環境に大胆にメスを入れ、ハイパーコンバージド インフラストラクチャー(HCI)によるプライベートクラウド環境を構築した。この取り組みをひも解きつつ、医療機関が目指すべきICT環境を考察してみたい。

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