データ活用の成果が出ず、諦める企業が増えている

 製造業界各社にとって、デジタル活用はもはや避けて通れないミッションとなっている。背景にあるのは、少子高齢化による人材不足や、世界的な企業間競争による低コスト化への要請だ。設備稼働データの収集・活用、業務自動化の推進などによって、ベテラン社員の勘と経験に頼るものづくりから脱却。同時に、オペレーションの合理化・効率化を進めていくことが不可欠になっている。

 一方、気掛かりなデータがある。経済産業省と厚生労働省、文部科学省が2020年5月に公表した「2020年版 ものづくり白書」によれば、「製造工程のデータ収集に取り組んでいる企業の割合」は、67.6%(2017年)から51.0%(2019年)へ減少。また「販売後の製品の動向や顧客の声を設計開発や生産改善に活用しているか」という質問に対し、「実施予定なし/別の手段で足りている」と回答した企業は、同期間で33.4%から41.2%へと増えているのだ。

 この結果から見えるのは、IoTによるデータ収集は始めたものの、思うような成果が出ずに諦める企業が増えているという実態だ。どんなにデータを集めても、生かせなければ宝の持ち腐れになる。結果、次期の予算確保が難しくなり、取り組みが収縮してしまうのである。

 このままでは、日本の製造業の競争力は低下の一途をたどってしまう。国の基幹産業である製造業の衰退は、日本全体の問題といっていいだろう。ものづくり現場のデジタル活用を「成果につなげる」方法について、次ページ以降で考える。

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