エンジニアの働き方を劇的に変える可能性も持つ新デバイス
デジタル化の波があらゆる産業に広がっている。なかでも製造業のエンジニアリングや医療、先端科学などの学術研究は、デジタル化の恩恵が大きい分野の1つだ。デジタル技術を活用することで、現実に再現・実験することが難しい事象について、緻密なシミュレーションが可能になる。
例えば、製品や建造物の設計・開発工程で、構造解析や強度計算などのシミュレーションを行えば、課題や改善点を早い段階で把握できる。これにより、手戻りを減らし、開発のスピードアップと品質向上につながるわけだ。
このエンジニアリング・シミュレーションソフトウエアのリーディングカンパニーが、1970年に設立されたAnsys(アンシス)だ。同社は、流体解析、構造解析、電磁界解析から、機能安全、システムシミュレーションまで幅広いシミュレーションソフトウエアを提供。幅広い業界でグローバルに利用されている。

豊富な実績を持つ同社は、市場での評価も高い。NASDAQの上場企業であり、S&P 500の中でもトップ10に入る優良銘柄だ。フォーチュンなどのメディアからも、世界で最も革新的な急成長企業の1つとして認められている。
その日本法人、アンシス・ジャパンでアプリケーションエンジニアとしてプリセールス活動を担うのが、山口 貴大氏である。山口氏は、顧客先を訪問し、同社のソフトウエアの機能紹介やシミュレーションのデモなどを行う。シミュレーションの動作は端末のパフォーマンスに大きく影響されるため、一般のPCでは力不足。そこで日ごろから15インチ型モバイルワークステーションを利用しているという。
しかし、課題もあった。それは画面サイズとパフォーマンスだ。「お客様に高精細な画像をお見せするなら、ワンサイズ大きな17インチサイズのほうがよく、グラフィックボードもより高スペックのほうがよいことはわかっていました。しかし、重さはサイズや性能に比例します。3kgを超えるデバイスを持って全国/海外に移動するのはさすがに厳しい。タワー型ワークステーションではないため、そこはどこかで妥協するしかないと考えていました」と山口氏は振り返る。
そんな中、デバイス更改を見据え、山口氏は新端末の評価を担当することになった。そこで目にしたのが17インチ型の新しいモバイルワークステーションだった。「これを評価したとき、私のようなエンジニアも含め、専門業務のモバイルワークに大きな革新をもたらすだろうと実感しました」と山口氏は語る。
次ページでは、多くのエンジニア業務に精通する山口氏が驚いた、新デバイスの中身や評価内容について紹介したい。