オンライン・マルチプレイゲームを支えるクラウド基盤
ゲームは進化の速い業界の1つだ。これまでもアーケードから家庭用ゲーム機、さらにスマートフォンによるモバイルゲームへと主流が移り変わってきたが、最近では多様なデバイスでプレイできるオンライン・マルチプレイゲームが市場をけん引するようになってきた。
その一方で、グローバル市場で大きな成功を収める作品も、数多く登場するようになっている。その代表として「フォートナイト」や「リーグ・オブ・レジェンド」などを挙げることができる。日本のゲームメーカーでも、オンライン・マルチプレイゲームで世界市場を狙う企業が増えつつある。
このようなトレンドを下支えしているのがクラウドだ。特に大きな存在感を見せているのが、アマゾン ウェブ サービス(AWS)である。ゲームとeスポーツを対象に市場調査分析を行っているNewzooによれば、売り上げトップ25の大規模ゲーム企業のうち、90%を超える企業がゲーム提供基盤としてAWSを活用しているという。
AWSが採用される理由はいくつか考えられる。まず信頼性の高いグローバルインフラを実現していること。世界各地の24ものリージョンに加え、200を超えるPOP(Point of Presence)を設置、ユーザーに近い場所のPOPを活用することでレイテンシを最小化できる。また各リージョンは複数のAZ(Availability Zone)で構成されており、耐障害性と可用性が極めて高い。さらにオンラインゲーム運用に最適化された「鉄板」ともいえるシステム構成が確立されており、データ分析やAI/機械学習活用の環境も整備されている。そのため安定してゲームを提供できるのはもちろんのこと、ユーザーの定着率向上や収益最大化に向けた施策も打ちやすい。
その一方で、ゲーム開発にクラウドを活用する事例は、これまでは必ずしも多くなかった。ほとんどのゲーム開発企業はオンプレミスで開発環境を持っていたのである。しかしこの状況も変わりつつある。開発環境基盤としてAWSに注目する企業が増えているのだ。
その理由やゲーム開発環境の最前線について、実際の移行事例も交えながら解説したい。