依然、システムの“お守り”に多くの予算が費やされている

 経済産業省の「DXレポート」で指摘されて以来、多くのIT関係者の共通認識となっている「2025年の崖」。もはやその内容を、日経クロステックで説明する必要はないだろう。だが、この崖を乗り越えるカギになる、クラウドシフトやITモダナイゼーションの取り組みは、果たしてどれだけの企業で進められているだろうか。依然として、IT関連費用の大部分を既存システムの“お守り”に費やしている企業は少なくないはずだ。

 特に重要システムの移行を考える場合、残された時間は少ない。これからクラウドシフトに挑む企業は、将来にわたり自社の戦略基盤を担うクラウド環境を、できるだけ短期間で構築することが必須になる。当然、かかるコストや人員も極力抑えることが肝心だ。クラウドシフトに多大な投資をかけてしまうと、その後の企業競争力を維持することが困難になるからだ。

 そのためには、最適なクラウドシフトの「手法」と、移行後のシステムの「あるべき姿」を見定める必要がある。

 まず手法については、ガートナーが提唱する「5つのR」が参考になる。「リホスティング(リフト&シフト)」「リファクタリング(ソースコードの改善)」「リバイス(更新)」「リビルド(再構築)」「リプレース(置き換え)」から方法を選ぶ。短期間で進めるなら、リホスティングかリバイスが適しているだろう。既存システムへの変更をなるべく少なくして、移行時の工数を削減。その上で、移行後に段階的にクラウドネイティブな仕組みに変えていく。

 一方、あるべき姿として目指したいのが、容易に変更できる柔軟なシステムである。たとえ基盤をクラウドに移行しても、重厚長大なレガシーシステムの再現に終わってしまっては意味がない。目まぐるしく変化する経営環境に合わせて、常に最適な仕組みが実現できる仕組みや方法を考えることが望ましい。

 このようなクラウドシフトを成功させるにはどうすればよいのか。次ページ以降で、その方法を紹介しよう。

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