日本で急速に広まるDX、システムには何が求められるのか

 2020年は多くの人にとって、心に深く刻まれた年だったと言える。突如発生した新型コロナウイルス感染症は、世界中に瞬く間に拡大し、そして社会や生活に甚大なダメージを与えた。出社が自由にできなくなる、必需品が手に入りにくくなるなど、急速にいろいろな変化が身の周りで生じた。2021年に入っても、未だにその脅威から解放されない日が続いている。

 もちろん、人類は手をこまねいているわけではない。大きな変化に対応するために、誰もが何かをしなくてはいけないと感じ、そして行動に移している。これは、米マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)の発言でも確認できる。ナデラCEOは「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と述べている。新型コロナウイルス感染症に立ち向かうために、世界が大きく変わろうとしているのは間違いないことだ。

 この流れに乗って、日本においてはデジタルを活用した改革の必然性が加速している。日本の労働生産性は主要先進7カ国中、最下位の状況が続いていたが、その大きな原因の一つがデジタル活用の遅れだった。このためDX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入においても、日本は後進国というレッテルを貼られてきた。そんな中で新型コロナウイルス感染症が発生し、企業活動におけるデジタルの重要性が改めて認識されたこともあり、デジタルを活用して変わること、すなわちDXによって困難な状況を乗り切ろうとする機運が高まっている。

日経BP総合研究所 フェロー 桔梗原 富夫 氏(写真左)、日経BP総合研究所 上席研究員大和田 尚孝 氏(写真右)

 では、DXを成功裏に導くためには、具体的にはどのようなシステムが求められるのだろうか。単にこれまでのIT投資と同じことをしていたのでは、DXの実現には不十分である。次のページからはその要件を、デジタル業界を長年取材してきた日経BPの2人の研究員、日経BP総合研究所フェローの桔梗原富夫氏と同上席研究員の大和田尚孝氏の対談から明らかにしていきたい。

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