被災した顧客は、いち早く「声」でつながる安心感を求めている

 コンタクトセンターは、企業活動を支える重要部門の1つだ。顧客(契約者)より寄せられる様々な「声」に、いかに迅速かつ的確に応えるか。その品質が、企業の顧客満足度や社会的信用に直結している。

 中でも損害保険会社のビジネスにおいてコンタクトセンターは欠かせない存在といえる。事故や災害に遭遇し、大きな不安の中にある顧客にいち早く「安心」を届ける上で、コンタクトセンターで“すぐにつながる”ことがカギになる。

 ところが、この“すぐにつながる”を実現するのは簡単ではない。地震や台風などの広域災害時には、平常時の件数を遥かに上回る電話問い合わせが一度に殺到するからだ。

 保険金を受け取るためにはどんな手続きが必要なのか――。その保険金はいつ受け取れるのか――。自らの暮らしにかかわるため、被災者は一刻も早く、正しい情報を入手したいと考えている。そんな時にどう“すぐにつながる”を維持するか。ここにこそ保険会社の真価が問われるといっていいだろう。

 そこで現在、加速しているのがデジタル技術の活用だ。「チャットボット」による顧客対応は、その中核を成すものの1つといえる。顧客からの電話の問い合わせが殺到し、オペレーターの話し中や電話回線が逼迫した際に、チャットボットが代わりに対応することで顧客の不安を解消する。

 ただ、災害などの事故においては電話でのやり取りを希望する顧客も多いため、チャットボットだけでは不十分と考える企業もある。その一例が、損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)だ。2020年には、持ち株会社のSOMPOホールディングスが、経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄」に選ばれるなど、革新的な取り組みは外部からも高く評価されている。そんな損保ジャパンでは「呼損(回線が使われており通話できない状態)ゼロ=常に応答率100%」を目指し、24時間365日、AIロボットによる「声」での応対、さらにはその後の受付手続きまで遂行できる仕組みを実現した。

 この事例は、似た課題を抱える同業他社はもちろん、コンタクトセンターの応答率、顧客対応品質の向上を目指すあらゆる企業にとって参考になるだろう。その詳細を次ページ以降で紹介したい。

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