デファクトが存在しない今こそ、IoTビジネスをリードする好機

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が強く求められる中、重要なパーツの1つとして「IoT」の期待が高まっている。モノや人の行動をデジタル化することで、これまでなかった新しい価値創出が可能になる。市場の伸びも著しい。2019年に6100億円だった市場規模は、2023年に1兆9000億円に急拡大する見込みだ。

 しかし、その期待とは裏腹に、国内にはデファクトスタンダードはまだ存在しない。

 ハーバードビジネスレビューによると、IoTビジネスは4段階のステップアップで成功に至る。まず第1段階では、「遠隔での監視と見える化」を実現する。次の第2段階で取り組むのが「遠隔での制御」だ。そして第3段階で「BIやAIを使って遠隔制御の最適化」を図り、第4段階で「自律化・自動化」を実現する。IoTの活用で目指すべきはDXの実現である。ところが多くのプロジェクトでは、遠隔での監視と見える化、遠隔制御という第1・第2段階でとどまっているケースがほとんどで、第3・第4段階まで至った成功例が少ないのが実情だ(図1)。

図1●IoTビジネスは4段階のステップアップ
[画像のクリックで拡大表示]

 この大きな要因として挙げられるのが「IoTならではの難しさ」だ。「必要とされる技術要素が多い」点もその1つ。IoTデバイス、そのデータを送受信するネットワーク、データを分析・活用するための基盤、その上位で動くアプリケーション、分析や予測のためのBI/AIソリューションなどが必要になる。

 次に、「用途や適用範囲が広い」点もポイントだ。何をやりたいかにもよるが、監視・制御するデバイスは幅広く、場所や周囲の環境によって最適な回線サービスも変わってくる。取り組みが大規模になると、エリアを横断した連携が必要になる。高度な分析のためには、自社のデータだけでなく、他社や異業種との連携も考えなければならない。

 こうした多彩な要件をすべてカバーできるベンダーは少ない。あるところまではサポートできるが、その先を求めると対応が難しくなる。とりあえずチャレンジしてみるものの、ROIを見通せず、尻込みしてPoC止まりで終わる。場合によってはそのループから抜け出せないPoC止まりにはまってしまうこともある。国内にディファクトスタンダードがない背景には、こんな事情が見え隠れする。

 だが、見方を変えれば、これはチャンスでもある。成功モデルを確立すれば、IoTビジネスをリードする存在になれるからだ。そのために何が必要で、どんなアプローチが有効なのだろうか。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。