AI活用の大きなハードルになっているデータ基盤の整備。その解決策とは

 SoR(Systems of Record)とSoE(Systems of Engagement)に加え、新たなITシステムの概念として広がってきた「SoI(Systems of Insight)」。社内外から膨大なデータを集め、それを分析することで「インサイト(洞察・気付き)」を得て、それを業務現場や経営の判断に生かしていくことは、企業競争力を高めていくための重要課題となっている。その1つの手段として大きな注目を集めているのが、機械学習やディープラーニングなどのAIだ。

 しかしAI活用に成功した事例は、まだ決して多くない。その最大の理由は、AI活用に不可欠なデータ基盤の整備が難しいことが挙げられる。さらに、データサイエンティストのような人材の確保が難しい上、IT予算も限られており、ある程度の効果が見込めなければ、なかなか投資が行えないという要因もある。

 こうした課題を解決すべく、2020年5月に「XLake」というサービスの提供を開始したのがクオリカだ。同社はコマツのシステム部門から独立したSIer。その後TISの子会社となり、現在ではTISインテックグループの一員となっている。得意分野は多岐にわたるが、コマツで培ってきたIoTソリューションもその1つ。そこで集められた膨大なデータを蓄積・分析するため、2014年ごろからHadoop、RDBMSによるDMP、DWHなどの構築・提供も行っている。またAI分野でも積極的に人材を育成。既にこの2年間で数多くの社員が、日本ディープラーニング協会のE資格やG検定に合格しているという。

 XLakeはこうした同社の経験やノウハウを結集した、ビッグデータ収集・分析プラットフォーム。分析対象となる様々なデータを自動収集し、そのすべてをストレージで一元管理した上で、ここから必要なデータを抽出し、機械学習や各種ツールで分析できるようにしている。つまり、AI活用に必要な環境整備を簡単に実現できるわけだ。

 また、プラットフォームを提供するだけではなく、同社のAIエンジニアがユーザー企業と一体となり、ビジネスの観点から必要となるデータの特定やその収集方法、分析の切り口などを決めていくという「エンジニアリングサービス」も提供。プラットフォームとエンジニアによる支援を融合している点も大きな特長だ。

 ただ、全く新しいプラットフォームとなるだけに、実現には様々な要件を乗り越える必要があったという。そのために、同社ではどのようなインフラ基盤を構築したのか。ここでは、このプラットフォームの全体像と同社のインフラ戦略をひも解いてみたい。

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