DXのためのクラウド活用がもたらした「光」と「影」

 ビジネスや暮らしのデジタル化が進行する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現は企業の最重要課題になりつつある。デジタル技術を活用してビジネスを変革し、顧客体験を高めるサービスを継続的にリリースしていく。「ニューノーマル」が求められるコロナ禍によって、DXの重要性はさらに高まっていくだろう。

 その実現に向けてはクラウドの活用が欠かせない。DXに必要とされるデジタル技術や様々な機能・サービスが豊富に用意されているからだ。これらを組み合わせて使うことで、短期間でPoC(概念実証)や新サービスの実現に取り組めるようになる。

 一方、適材適所のクラウド活用を進めていくと、複数のクラウドが混在するマルチクラウド環境になっていく。そうなるとインフラの構成が複雑化する。オンプレミスやクラウドの違いを意識せず、統合的にICT環境を利用できる仕組みの実現が急務となっている。

 しかし、これだけでは十分とは言えない。DXの実現にはデータの利活用が不可欠である。企業活動で得られるサプライチェーンのデータ、顧客の行動や生の声、IoTによるモノの稼働データ、さらに市場を俯瞰するオープンデータなどを活用することで、見過ごされてきた課題の発見やその解決の糸口をつかみ、ビジネスの変革と新たな価値創出に向けた活動が加速するからだ。

 DXの取り組みをPoC止まりにせず、先に進めるためには、インフラだけでなく、その中に保管されるデータの統合も考える必要がある。分散した環境の中には、“原石”が埋もれているかもしれない。それを知らずにいるのは、文字通り宝の持ち腐れだ。貴重な情報資産を有効活用する上でも、データの統合は欠かせない。

 そこで、データ統合がもたらす価値とその実現に向けた有効なアプローチについて有力ITベンダーの取材を通して考えてみたい。

(取材・編集 日経BP総研 フェロー 桔梗原 富夫)

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