会社ごとのファイルサーバーがグループの情報共有を阻害
ゲームメーカーのセガと遊技機メーカーのサミーとの経営統合により誕生したセガサミーグループ。遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業(ゲームなど)、リゾート事業を展開する日本屈指のエンタテインメント企業グループである。
グループミッション「感動体験を創造し続ける ~社会をもっと元気に、カラフルに。~」の実現に向け、グループ間の協業や人材交流も積極的に進めている。
人が異動すれば、情報もそれに応じてフレキシブルに活用できなければならない。しかし、従来の環境はそれが困難な状態だったという。「グループ各社がファイルサーバーを個別に構築・運用し、ドメインごとにアクセスを制限していたため、会社の垣根を越えた情報共有が煩雑でした」。こう話すのは、セガサミーホールディングスの門脇 知紘氏だ。

セガサミーホールディングス株式会社
ITソリューション本部
プラットフォーム部 サーバー課
門脇 知紘氏
ITソリューション本部
プラットフォーム部 サーバー課
門脇 知紘氏
会社の垣根を越えた情報共有には、アカウントの権限変更が必要になる。例えば、人事異動の場合は旧所属会社のアカウントを無効化し、新所属会社のアカウントを新規発行する。共有フォルダの利用を希望するユーザーには、その新アカウントに共有フォルダのアクセス権限を付与しなければならない。ファイルサーバーのアカウント数はグループ全体で約6500。人事異動や共有アカウントの発行依頼がある度に対応が必要になる。
現場が支障なく業務を行えるようにするためには、機敏な対応が求められる。「かといってアカウント管理に時間を取られると、ほかの業務にしわ寄せがいく。誰に、どんな権限を持つアカウントを発行したか。その管理も大きな負担でした」と門脇氏は振り返る。
課題解決に向け、同社が目指したのが情報共有基盤のシェアードサービス化だ。以降では、次世代を見据えた基盤刷新のアプローチとその効果を考察していく。