IT投資の7割を戦略投資に 世界で続出するDX事例

遅れが指摘される日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)。この状況のもと、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デロイト トーマツ コンサルティング、レッドハットの3社は、顧客のデジタル変革の構想から定着までをシームレスに支援すべく、連携を強化している。3社のキーパーソンに、変革を加速するための秘訣や、それを支えるための協業の狙いなどを聞いた。

ここ数年、企業・組織におけるDXの必要性が声高に叫ばれています。海外では既に成功事例も多数登場していますね。

レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部
パートナーソリューションアーキテクト部 部長
河野 恭之 氏

河野:はい。中でも日本企業にとって示唆に富む事例が、シンガポールのDBS銀行の取り組みです。同銀行は2016年と2018年の2回にわたり、金融専門情報誌「ユーロマネー」で「World's Best Digital Bank」に選ばれたことでも知られています。

 同行が変革に着手したきっかけは、海外からやってくるディスラプターに大きな危機意識を抱いたことでした。経営トップが、これからは従来型の銀行のスタイルを脱し、GAFAのようなビッグ・テックを見本として事業を推進すべきと決断。全社員の意識変革を進め、顧客目線のカスタマージャーニーへ転換することを決めました。

挾間:そうなると、既存システムは刷新が必要ですし、新規システムを構築する際のアプローチも見直す必要がありますね。

河野:おっしゃる通りです。そこで同行は、クラウドの全面的な活用によってITインフラを再整備し、その上にデジタルサービスの基盤を構築しました。また、価値を生むコア機能の開発は内製化を加速し、自社でDXをマネージできる体制を築いていきました。

根岸:外部ベンダーの技術やサービスを利用する方法では、変化し続ける顧客ニーズに追従しにくくなります。内製化によってスピードを高めたということですね。

河野:私もそう考えています。この体制のもと、現行アプリケーションのクラウド移行を推進。システムの耐障害性や管理性、可搬性を担保するため、オープンソースのコンテナ技術をベースに、クラウドネイティブな環境を整えました。

 重要なのは、これらの変革の取り組みがきちんと成果につながっていることです。システムの開発・改修を迅速に進める体制が整ったことで、顧客が求めるサービスをスピーディーに具現化できるようになりました。同時に、システム運用コストは約8割削減。結果、全IT投資の7割を、カスタマージャーニーに沿った顧客価値の提供に資する新規アプリケーションの開発に振り向けられるようになっています。

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