なぜDXが進まない?「2025年の崖」克服を妨げているハードルは

 デジタル時代、競争力の源泉となる企業システムを構築するには、まず既存のIT資産を見直す必要がある。複雑化・老朽化・ブラックボックス化したオンプレミスシステムのままでは、IT予算の多くを占める運用コストを削減できず、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する余力を確保できない。また、既存システムの多くは柔軟性や拡張性に乏しく、俊敏性やスケーラビリティといったDXの要求に応えることも難しいからだ。

 これらの課題の多くは、システムのクラウド移行によって解決できる。IT部門はハードウエアの調達・運用から解放され、開発者や事業部門へのリソース提供も俊敏かつ柔軟に行えるようになる。しかし、残念ながら日本企業のクラウド移行は、経済産業省が「2025年の崖」を指摘した数年前からあまり進んでいないようだ。例えば、今回のコロナ禍ではテレワークが不可欠になったが、現在も多くの企業の社員が出社を余儀なくされている。その要因の1つが、クラウド化の遅れにあることは間違いないだろう。

 クラウド化への取り組みを妨げているハードルは大きく以下のようなものだ。

 例えば、移行そのものが難しいこと。既存システムをクラウド化するには、クラウドが提供する機能に合わせてシステム自体をつくり替える必要がある。また、移行を円滑に行うには、ユーザーへの影響を抑制するための移行シナリオを策定しなければならない。結果、その取り組みは難しく、大掛かりなものになっていく。

 また、運用体制の変更が必要なことも障壁になっている。ハードウエアの調達・運用から手離れできる半面、クラウドの特性に合わせた運用手法を理解し、それに慣れるためのプロセスに、一定の手間と時間をかけなければならないからだ。

 そこで、これらのハードルを取り払う方法として注目されているのが、オンプレミスに構築したVMware vSphere環境の仮想マシン(VM)を、そのままの形で移行するアプローチだ。既にオンプレミスのシステムをVMware vSphere環境上で動かしている企業は多い。それらの企業にとっては、特に注目に値する方法といえるだろう。今回は、その手法や効果的な進め方を紹介する。

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