様々な業界で浮かび上がるデータの課題

 ビジネスを革新するDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向け、企業では蓄積する膨大なデータ資産をいかに活用するかが重要なテーマになっている。だが、データ活用といっても、一筋縄にはいかない企業も多いのではないか。

 その背景には、これまで事業部ごとに個別最適で業務システムを構築してきたため、システムだけでなく、データもサイロ化していることが大きく関係している。これにより、社内に様々なデータが散在し、DXに向けたデータ活用が困難な状況となっているのだ。また、全社的なデータ活用を進めたいと考える一方で、統合的なデータ基盤の導入はこれからという企業もあるだろう。

 データ活用にかかわる課題は、業種・業界に関係なく多くの企業が抱えている。例えば運輸・物流業の多くの企業では、営業所ごとに車両の登録番号や稼働状況、ドライバーの属性情報などが管理され、本社で車両の稼働率やドライバーの勤務状態などの情報を把握するにも時間と手間がかかっている。さらに排ガスなど法規制の対応も必要になり、営業所に分散する情報を本社で一括して把握できるような仕組みの構築が課題となっている。

 また、製造業界では、製品の生産に必要な資材は本社でサプライヤーから一括して調達するのが一般的。だが、各工場で使用する副資材(安全装備品など)は長年の慣行もあり、特定のサプライヤーから工場ごとに調達しているところが少なくない。その結果、調達コストが割高になるなどの問題が発生し、ガバナンスの観点からも問題となっている。

 あらゆる業界に共通することは、複数のシステムや拠点に散らばるデータを連携し、高精度・高信頼性のデータとして集約・管理する必要に迫られているという点だ。この課題を解決するためには、散在するシステムのデータを全社横断的に利用できることが求められる。そのため、昨今このような課題を解決する手段の1つとして「マスターデータ管理(MDM)」の検討を進めている企業が増えている。MDMは、散在するシステムのデータを全社横断的に利用でき、DXに向けた企業のデータ活用を可能にする。以下では、業種ごとのユースケースを基に、MDMでの活用方法やどのような変革をもたらすのかといった期待効果について解説する。

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