全社的なデータ利活用を阻害する縦割りの組織構造

 DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が経営のキーワードとなり、多くの企業が戦略的なデータ利活用の取り組みを加速させている。企業が外部に公表する中期経営計画でも、「DXの推進」を掲げる企業が目立つ。

 しかし、DX推進に欠かせない全社規模でのデータ利活用がどこまで進んでいるかといえば、なかなか実現できていない企業が多いのではないだろうか。よく指摘されることだが、日本企業では、事業部門ごとに部分最適化したビジネスを行うことが一般的であり、事業部門を横断する全社最適化されたデータの利活用は、縦割りの組織構造や企業文化のもとでは難しい側面がある。

 そうした障壁を乗り越えて、全社規模での戦略的なデータ利活用を進める上で重要になるのが、高度な「データマネジメント」の仕組みづくりだ。

 例えば、「顧客にかかわるすべてのデータが社内のどこに保存されているか」という質問に対して、的確に答えられる人はどれだけいるだろうか。営業、販売、カスタマーサポートなど、顧客とのチャネルを持つあらゆる事業部門の顧客データがそれぞれどこにあり、どのような形で保存されているのか。それを把握することなく、全社的なデータの利活用を行うのは不可能だ。

 さらに企業が扱うデータはオンプレミスの社内システムだけでなく、クラウド上にも保存されている。データの種類、量ともに爆発的に増え続ける中で、もはや人手に頼るデータマネジメントでは限界がある。AIなどを活用していかなければ、DXに向けた全社的なデータ利活用、データマネジメントは困難な状況だ。

 DX推進を担う各事業部門や情報システム部門などは、今後どのような取り組みが必要になるのだろか。ポイントとなる「AI活用」を中心に、その方法を以下で紹介する。

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