仮想化環境のパブリッククラウド移行を阻む様々な課題

 長年オンプレミスで構築・運用してきた仮想化環境を、どのようにパブリッククラウドに移行するか――。この問題に直面する企業は多いだろう。

 仮想化環境は、社内で分散稼働する各種システムを統合・集約するため、多くの企業が採用してきた手法の1つだ。このアプローチにより、企業はハードウエアの運用管理にかかるコストの低減など、様々なメリットを享受できる。ただ、あらゆるシステムでパブリッククラウドの活用が広がる現在は、この仮想化環境自体をパブリッククラウドに移行し、ハードウエアの購入や定期的な更改にかかわる作業からも手離れしたいと考える企業が増えている。

 問題が発生するのは、既存の仮想化基盤とパブリッククラウドの基盤のアーキテクチャが異なる場合だ。この場合、アプリケーションの改修が必要になり、移行には多くの時間とコストがかかる。万一、ミスや遅延が発生すれば、業務・顧客サービスの停止といった多くの影響が発生するため、これを回避する方法も検討しなくてはならない。これらが懸念事項となり、取り組みを先延ばしにしている企業は少なくないはずだ。

 しかし現在は、このような課題を解決し、仮想化環境の重要システムのクラウド移行を図る企業が登場しつつある。レーザープリンターや複合機などの事務機器、デジタルカメラなどの光学機器を提供するリコーがその1社だ。同社は先ごろ、長年オンプレミスで運用してきたVMware製品で仮想化されたシステムをクラウドに移行することを決定。選択した手法とプロセスに則って、順次、移行作業に着手している。

 同社がクラウド移行を決断した理由と、決め手となった手法について、次ページ以降で紹介する。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。