今日、顧客とのつながりを強固にし、パーソナライズされた製品やサービス、エクスペリエンスを提供することがますます重要になっている。しかし実際には、オンプレミスや各種クラウドなどにサイロ化されたデータが散在し、データを十分に生かせない要因になっている。本記事では、多くの企業が利用しているSalesforceと、さまざまなシステムのデータをシームレスに統合するための方法を紹介する。
データ統合がネックとなりDXが遅滞
データこそがトランスフォーメーションの核心である。構造化データと非構造化データを統合しインサイトを引き出すことが、顧客とのつながりを深くする鍵だと考えられるようになって久しい。しかし、データの統合は一筋縄でうまくいかない。各事業部門のシステムにデータが存在し、これらを統合することは難しい。例えば顧客やパートナー、従業員との間に何が起きているかというインサイトを得ようにも、そのためのデータがサイロ化し分断されているために正確な理解が進まず、適切な対応策が打てないわけだ。
平均的な企業では、約900の異なるシステムにデータが存在し、そのうち統合されているのは3分の1程度だと言われている。これらの統合率を高めるには、データが消費される時点で記録のためのシステム(SoR)から分離することだ。これによりデータはオンプレミスやクラウドなどの保存場所を問わず開放され、ガバナンスや可視性、セキュリティを維持しながら、システムを進化させることができるようになる。
データ活用を円滑にする「組立てブロック」としてのAPI
一部の企業では、異種システムの統合方法として、カスタムコードやモノシリックWebサービスを利用することがある。しかしカスタムコードではデータソース間の通信を迅速にできても将来性や拡張性を保持できない。単純な接続から始まったものが、エンドポイントの増加や複雑な変換、統合ロジックが増えることで巨大化してしまうからだ。
こうした事態を避け、サイロを破壊しデータを安全に公開するために注目されているのが、「ビジネス・コンポーザビリティ」だ。ビジネス・コンポーザビリティは、組織が変化に迅速に適応できるようにシステムなどにモジュール化を適用することで、米国において2022年に最も注目されているIT/ビジネストレンドの一つとされている。
具体的には、機能を組み立てブロック化(コンポーザビリティ)してAPIを使用するという方法がある。最新のAPIは、在庫情報や注文状況といった企業独自のビジネスデータも組み立てブロックとしてまとめられたAPIによって簡単かつ安全にアクセスし、活用できる。システム、プロセス、エクスペリエンスの各機能を持つAPIをひとまとめにラッピングして利用することで、後にそのAPIを再利用して迅速なデータの開放を進めることが可能になる。組み立てブロック化されたAPIを活用すれば、後にシステムが巨大化、複雑化したり、変更が発生しても、ブロックを修正、改変することですぐに対応できるようになる。
これを活用することで、Salesforceに、サイロ化されたレガシーシステムのデータを統合し、顧客に関する情報を集約することも可能になる。