かつては交易の要衝、今は国際的な文化・経済の拠点

 システムの標準化や行政手続きのオンライン化など、地方行政のデジタル化、つまり自治体DXが加速している。これからの社会がどのように変化していくのかを知る上で、その動向は欠かせない。

 札幌市の北側に隣接し、南北約70kmの市域を持つ、人口6万人弱の都市、北海道石狩市もデジタル活用に積極的に取り組んでいる自治体の1つである。

 江戸時代には、石狩川河口部流域が交通の要衝となっていたこともあって、サケの交易で大いに賑わうなど、西蝦夷地の中心として重要な役割を果たしてきた。現在も石狩湾新港を通じて様々な交易が行われ、国際的な文化・経済の拠点となっている。

 気候は、対馬海流の影響による海洋性気候で、北海道の中でも比較的温暖。冬期も零下10度以下になることは少なく、四季の変化に富み、豊かな自然に恵まれている。浜益区の愛冠岬(あいかっぷみさき)では、春になると岩肌に残る残雪が走る馬の形に見える「馬雪(まゆき)」が現れ、人々の目を楽しませる。このような豊かな自然と、代表的な郷土料理である石狩鍋をはじめとする石狩グルメを求めて、観光シーズンには、全国から多くの観光客が訪れる。

 現在、同市は「市民中心」を掲げて行政の変革に挑んでおり、変革にデジタルを積極的に活用している。コロナワクチンのスムーズな接種を支援するアプリを独自に開発するなど、その取り組みは着実に成果を上げようとしている。次ページからは、石狩市のチャレンジと、それを支えるIT基盤の工夫を見ていく。

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