自然災害が多い日本の企業にとって、事業継続のための備えは欠かせない。また昨今では、ランサムウェアというセキュリティー上の新たな脅威への備えも重要になっている。ビジネスの根幹を担うシステムやデータを失うことは決して許されないのだ。だが残念ながら、すべての企業が緊急事態への備えを万全に講じているわけではない。備えがなければビジネスの復旧が遅れて事業規模の縮小を余儀なくされたり、倒産・廃業に追い込まれたりするおそれもある。そこで改めて導入を検討したいのが、緊急時にシステムやデータを迅速に復旧・修復するディザスタリカバリー(DR)の仕組みだ。

 人はすぐ忘れるものだ。たとえ未曽有の大災害が発生しても、直接的な被害に見舞われない限り、ものの数カ月、数年で何事もなかったかのように日常を取り戻す。これは、企業の事業活動に不可欠なシステム基盤も例外ではない。大震災・大規模水害が発生するたびに、システムやデータが迅速に復旧・修復できるかどうかという見直しが図られるものの、時が経つにつれて危機意識は薄らいでいく。

 そして、災害復旧のための備えも次第に疎かになり、忘れかけたころに痛い目に遭ってしまう。そして新たな脅威として、ランサムウェア被害も国内で広がりを見せつつある。

 ではなぜ、企業においてDRの導入が進まないのだろうか。

 その最大の理由は、導入・運用にかかるコストにある。従来のDRは、日常的に利用する自社内のシステム基盤(メインサイト)とまったく同じ構成のシステムを遠隔地のデータセンター(DRサイト)にスタンバイさせておき、いざという時に切り替えて使うという仕組みが一般的だった。つまり、普段は使わないシステムも常に用意しなければならず、導入・運用コストが二重にかかっていた。システム投資に限りがある企業にとって、数年おきに来るシステム更改のたびにコストを二重にかけることは難しい。そのため、ある意味“保険的”なDRサイトの構築を断念せざるを得ない状況だったわけだ。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社<br>ITサービス事業グループ エントラステッドクラウド営業本部<br>サービススプリントチーム クラウドプラットフォーム課<br>エキスパートエンジニア<br>水上 貴博 氏
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
ITサービス事業グループ エントラステッドクラウド営業本部
サービススプリントチーム クラウドプラットフォーム課
エキスパートエンジニア
水上 貴博 氏

 しかし、クラウドコンピューティングが高度に発展した現在、そうした課題は解消されつつある。DRサイトの代わりにクラウドサービスを利用し、被災時にはクラウドに切り替えて使えるようになったのだ。しかも、わずかなコストを毎月負担するだけで簡単にDRの仕組みが構築できるという。

 クラウドサービスを利用することで得られるメリットを、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の水上貴博氏に聞いた。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。