サービスや製品を展開する上で、顧客のニーズを正しく把握・理解することが重要なのは言うまでもない。ビジネスを成長させる上では避けて通れない道だ。
分かってはいるが、実際はなかなか難しい——そう考える読者は少なくないだろう。だが、グローバルで展開するSaaSやモバイルアプリなどのオンラインサービスにおいては、必ずしもそうは言えない状況になっている。「プロダクトアナリティクスツール」という新たなデータ分析ツールの普及により、顧客をより的確に理解できるようになったのだ。
まだ日本では馴染みが薄いこのプロダクトアナリティクスツール。一方、海外のオンラインサービスでは、Webサイト構築の際にはGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを実装するがごとく導入は当たり前になっている。
日本企業はグローバルで思ったような成果が出せていないと言われがちだ。その要因の1つには、プロダクトアナリティクスツールの導入の遅れがあると考えられる。グローバルにおけるライバルたちがこのツールを使って、顧客を正しく理解しながらサービスを展開している一方で、日本企業はその術すら知らないのである。
ツールを使わず経験などに基づいて行う顧客理解も、ある程度の結果にはなる。しかし、データに基づいたプロダクトアナリティクスツールの分析結果と比べると、正確さや精度の面でどうしても劣ってしまう。つまり、プロダクトアナリティクスを活用していない日本企業がグローバル市場に進出することは、武器をもつ相手に素手で挑もうとするようなものだ。
しかし、そのような状況もじきに過去の話になるだろう。なぜなら2021年の春、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下NTTコム オンライン)が、日本国内でプロダクトアナリティクスツールの販売をスタートしたからである。