ビジネスを変革するには「ヒト」の変革が不可欠
あらゆる企業にとって、経営上の重要テーマとなったデジタルトランスフォーメーション(DX)。昨今のコロナ禍で、テレワークやリモート会議などが企業の間に浸透したが、これもDXの1つの形ととらえることができるだろう。クラウドサービスをはじめとする多様なツールの活用によって、業務の大幅な効率化、自動化が進みつつあることは間違いないからだ。
ただ、より本質的には、DXとはビジネスそのものを変革することにほかならない。新規事業の立ち上げや新しいビジネスモデルの確立、イノベーション創出を実現することであり、ツールやテクノロジーの活用はそのための手段であるべきだ。
この観点で見ると、まず大切なのは既存の経営資源をどうアップデートし、変革に向けた推進体制を整えるかということである。特に注目すべきは「ヒト」だ。経営層や社員のマインドセットを変革し、デジタル前提の組織へ変貌する。そこには当然、企業文化を塗り替えるような取り組みも含まれる。これに挑戦することなくして、真の意味でのDXは実現できない。
そこに気付いた企業は、自らの現状を見つめ直し、ヒトの変革に向けた取り組みを実行している。一例が総合商社の双日だ。同社は、DXコンサルティングファームのFabeeeと共に取り組みを開始。DXを自らの手で進めるための下地づくりに着手している。
まさに今、新たな姿へ変貌しつつある双日の取り組みをひも解くことで、DXに向けた組織づくりの要点を探ってみよう。