AIモデル複雑化によるデータ増大も大きな問題に

 機械学習や深層学習などの人工知能(AI)への期待が高まっている。医療分野での画像分析や、コールセンターでの音声分析、オンラインミーティングなどでテキスト化された内容の分析、さらにはIoTセンサーから収集した膨大なデータに基づく稼働分析や障害予兆など、その活用領域は確実に広がりつつある。

 しかしAIの導入に成功している事例ばかりとは限らない。その理由の1つとして挙げられるのが、AIに関する人材不足である。「AI白書2020」では「自社内にAIについての理解が不足している」が55%にのぼっており、「AI人材が不足している」も34.6%にものぼっている。

 十分な人材が確保できないため少数もしくは個人で、手元のワークステーションによってAI活用を始めるケースも少なくない。このような場合には十分な予算が確保できず、小規模な利用は実現できても、ビジネスに適用できる大規模な利用に至らないことも多い。AIに使えるリソースが限られている上、その管理負担も特定のAIエンジニアに集中してしまうからだ。

 最近ではスケーラビリティーを確保するため、当初からクラウドを利用する事例も増えている。しかしこの場合でも問題は生じる。利用が進むにつれてデータ量が増大し、それをオンプレミスからクラウドに転送するために時間や手間がかかってしまうからだ。

 このような問題は、今後さらに大きくなっていくだろう。AIモデルは急速な勢いで複雑化しており、学習に使われるデータ量も指数関数的に増大しているからだ。さらに、データ量増大に対してコンピューティングパワーの増大のペースが限られている、という問題もある。このようなギャップもAI活用の大きなハードルになっていく。

 それではこのようなハードルを乗り越え、AI活用を成功させるには、どのようなアプローチが必要になるのか。専門家の見解を交えながら、そのヒントを考えていきたい。

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