社内で各部門が集積している膨大なデータ。部門別にシステムを構築してきたため、全社で活用できるデータになっていないと悩む企業が多い。

 ポリプラスチックス株式会社は、熱や摩擦に強く強度の高いエンジニアリングプラスチック(エンプラ)の専業メーカーである。中でも主力商品のポリアセタール「ジュラコン® POM」は、これまで金属製だった歯車やねじ、軸受けに代替可能だ。AV機器やOA機器、家電製品、自動車部品などに広く採用されており、約20%と世界No.1のシェアを持つ(※)。

 同社はマーケットインの考え方で、顧客の要望に徹底的に寄り添い技術を磨いてきた。それ自体は開発でも生産でも成果を上げていたが、その分業務プロセスの複雑化を生んでいた。システムではできないところを手作業で埋めることも多く、特にサプライチェーンマネジメント(SCM)に課題が集積していた。

 同社のSCMは、部門として独立していなかった。システムを部門最適で導入していたため、生産と営業のシステムが異なっており、それぞれ異なるマスターデータを持っていた。これではデータ連携も活用も簡単にはいかない。

 当時の課題をサプライチェーン本部 SCM企画室 主任部員の谷川雄司氏は振り返る。「当時生産統括本部の下にある生産計画グループが、生産部門から独立した形で生産計画を立案していました。その際には、営業が使うお客様から見たSKU(Stock Keeping Unit)で考えます。しかし生産部門とは生産のSKUで話をしなければなりません。それぞれのSKUを照らし合わせて脳内変換するような作業で、非常に大変でした」

 そこで、2017年SCM本部を新設。「新SCM構築プロジェクト」を立ち上げ、データ連携によるSCM改革に取り組むこととなった。どのような体制やシステムの構築が、プロジェクトを成功に導いたのか? 次ページから詳しく解説する。

※ 出典:富士経済『2017年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略』

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