リモートワークで変化するデータ保護の要件

 AI、IoT、クラウド、5Gなど、様々なデジタル技術が企業のDXを後押ししている。だが、ほとんどの技術は、それだけで力を発揮するのは難しい。欠かせないのがデータだ。サイバー攻撃の多くがデータの搾取を狙ってくることからも、現在の企業にとってデータがいかに重要な資産となっているかが分かる。

 だからこそ、改めて考えておきたいのが「データ保護」だ。というのも、近年、データを取り巻く環境は大きく変化しており、既存の仕組みや方法では十分に保護できない可能性が高まっているからだ。

 特に注意が必要なのがユーザーのPC内のデータである。理由の1つが働き方の変化。コロナ禍の影響もあり、多くの企業がリモートワークを導入した。普及の速さはPCの売れ行きにも表れており、例えば、薄さや軽さを追求しただけでなく、会議相手の声を聞き取りやすくする「ミーティング機能」の対応などにより、リモートワークの利便性を向上するNECのWindows11搭載モバイルPC「VersaPro UltraLite タイプVC」を含めてモバイルPCの引き合いが多いという。

 しかし、歓迎すべき柔軟な働き方の実現もデータ保護の観点で見ると手放しでは喜べない。ユーザーが自宅や訪問先、移動中のカフェなど、様々な場所でPCを利用することが増え、盗難や紛失のリスクが高まったりするからだ。実際、総務省もテレワークに関するセキュリティガイドラインを示し、企業に暗号化や遠隔制御などの対策を促している。

 また、冒頭でも触れたサイバー攻撃への対応という側面もある。大規模災害などを想定した事業継続計画(BCP)においてデータバックアップが重要なのは言うまでもないが、近年、猛威を振るっているランサムウエア対策としても有効となる。ランサムウエアは、データを人質にして身代金を要求してくるが、バックアップから迅速に復旧できる環境があれば、少なくとも業務を止めてしまうリスクは低減できるからだ。

 PC内のデータを保護する仕組みとしては、以前からVDI(デスクトップ仮想化)が提案されている。確かにVDIなら、PCの紛失や盗難には有効だが、大規模なシステム構築が必要なため費用負担が大きく、それがネックになっている企業は少なくない。また、リモートワークに移行後、通信環境を一定の水準に保つのが難しくなり、性能が低下しているという声も聞く。

 データの安全な保護と導入しやすさ、そして、ユーザーの業務効率を犠牲にしないこと。次ページからは、これらの要件を両立できるお勧めの対策を紹介していく。

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