ビジネス成果を得るところまで、なかなか進まない

 数年前はバズワードとして多くの人が半信半疑だった「デジタルトランスフォーメーション(DX)」も、現在では多くのビジネスパーソンから、企業の成長と存続のために実現しなければならない改革として認識されている。あらゆる企業がDXの取り組みを進めており、方法論やノウハウも徐々に企業内に蓄積されつつある。

 この状況が分かりやすく可視化されたのが、MuleSoftとDeloitte Digitalによる共同調査「2022年度 接続性ベンチマークレポート」である。この調査では、世界1050人のITリーダーへのインタビューを通じて、デジタル活用の現在地を浮き彫りにした。

 例えば「この5年間であなたの組織では、DXのスピードがどの程度変化したと思いますか?」という質問に対し、グローバルの93%、日本の95%が「以前よりも速く進んでいる」と回答。大多数の組織がDXを重要ミッションととらえ、推進していることが分かった。

 一方、DXの推進を阻害する要因も見えてきた。DXの課題を聞いた質問では、グローバルの38%が「サイロ化したアプリとデータの統合」と回答。「リスク管理、コンプライアンス、法の順守(37%)」「事業部とIT部の合意不十分(35%)」が続いた。日本に絞っても回答の上位3つは同じで、順序が「事業部とIT部の合意不十分(44%)」「リスク管理、コンプライアンス、法の順守(42%)」「サイロ化したアプリとデータの統合(37%)」の順だったという(図1)。

図1●DXにおける最大の課題
図1●DXにおける最大の課題
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上位3つは日本でも同じで順序が異なるのみだった。「アプリのサイロ化」「リスク管理や法令順守」「事業部とIT部の合意」が主な障壁となり、DXが阻害されている。なお日本では「ITチームの採用と維持」も多くの人が課題と感じていた

 ここから推測できるのは、グローバルのDXは既に具体的な施策に落とし込み、手を動かすフェーズに入っているのに対し、日本はその一歩手前の組織論の段階にあるということだ。実際、DXが加速していると感じてはいるものの、目に見えるビジネス成果につなげている日本企業はまだ少ないと考えられる。

 日本企業のDXをもう一歩前進させるにはどうすればよいのか。顧客企業のDXを数多く支援してきたMuleSoftのキーパーソンに、とるべきアプローチを聞いた。

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