DXやクラウドシフトがデータセンターへのアクセス集中を招く
テレワークの普及もあって、ネットワークのひっ迫という悩みを抱えている企業は少なくない。テレワーク以外にも、クラウド活用の広がりやDXを背景とした様々な業務のデジタル化などで企業ネットワークのトラフィック量は増大する一方である。
「ネットワークが遅い」「つながらない」といった不満が社員から上がることも増えているのではないだろうか。しかし、ここで見逃してはいけないポイントがある。ネットワークにまつわる問題は、トラフィック増だけが原因とは限らないという点だ。セキュリティ強化のための施策が、ネットワーク速度に悪影響を及ぼしている可能性もある。セキュリティと利便性はしばしばトレードオフといわれるが、各企業のIT部門はこれらの両立、あるいは最適のバランスを目指して工夫を重ねているはずだ。
企業によって濃淡はあっても、こうした課題は共通するものだろう。この課題に向き合い、解決した事例をTKCに見ることができる。
TKCは全国の会計事務所とその顧客企業、地方公共団体などを対象に情報サービス事業を展開している。近年、上記の課題が顕在化していたのは会計事務所向けの分野だ。会計事務所向けのインターネット接続サービス「セキュリティGW(ゲートウェイ)サービス」、「税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMSクラウド)」など、TKCは会計事務所に特化したサービスを多くそろえている。データセンターを通じて提供されるこうしたオンラインシステムでは、通信速度の遅延や不具合がユーザーの不満に直結しやすい。
そこで、TKCは利便性とセキュリティを両立すべく、新しいアプローチを採用した。それが「インターネットブレイクアウト+DNSセキュリティ」である。
今回のプロジェクトにおいて、TKCは顧客である会計事務所にインターネット接続サービスを提供するISPの位置付けだが、データセンターから全国の拠点にサービスを届けるというネットワーク構造は多くの企業と共通する。全国の会計事務所向けに、セキュアかつ快適なアプリケーションの利用環境を実現したTKCの事例には、企業にとっても多くのヒントが含まれているはずだ。