CentOS Linuxが開発中止となり「移行」が課題に

 米国時間の2020年12月8日、サーバー・ハードウエアやOSを扱ういわゆるプラットフォームエンジニアに衝撃を与えるニュースがインターネットを駆け巡った。

 Linuxディストリビューションの一つとして広く使われている「CentOS Linux」の開発元であるThe CentOS Projectが、ブログ(※1)を通じて、CentOS Linuxの今後の開発を中止すると発表したからだ。併せて、当初は2029年5月31日まで予定されていたCentOS Linux 8のサポートを2021年12月31日で打ち切ることも発表した(下記図参照)。

 現在もサポートが続いているCentOS Linux 7のサポート終了は2024年6月30日となっているが、移行の計画から依存関係の確認、検証、予算化、実際の移行作業などを考えると、こちらもそれほどの猶予はない。

(※1)https://blog.centos.org/2020/12/future-is-centos-stream/
RHEL、CentOS Linux、CentOS Stream、およびFedora Linuxの関係。左側がアップストリーム(上流)で右側がダウンストリーム(下流)になる
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RHEL、CentOS Linux、CentOS Stream、およびFedora Linuxの関係。左側がアップストリーム(上流)で右側がダウンストリーム(下流)になる

 今回は、CentOS Linuxからの移行をスムーズに行うための移行先の選択肢、移行の際のポイント、さらにはレッドハット製品を含めたエンタープライズ向けITを熟知したSB C&Sが薦める、移行先としてのRed Hat + Nutanix(ニュータニックス)のコンビネーションについてもお伝えしていく。

 CentOS Linuxは、レッドハットが提供している「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL:レルのソースコードをベースに、レッドハットの商標や商用パッケージなどを除いたフリーのLinuxディストリビューションである。

 信頼性や安定性で定評のあるRHELをアップストリーム(上流)としているCentOS Linuxは、RHELと同等の信頼性や安定性を備えているとして人気があり、実数の把握は難しいものの多くのシステムに搭載されてきた。RHELと同様にリリースからおよそ10年間という長期サポートがうたわれていた点も支持を集めてきた理由の一つだ。

 The CentOS Projectは、CentOS Linuxに代わり、Fedora LinuxとRHELの中間に位置付けられ、RHELの開発をよりオープンにしていくためのディストリビューションである「CentOS Stream」の開発に注力する計画だ。そのため、CentOS Linuxを使ってきたプラットフォームエンジニアは、他のディストリビューションなどへの移行を迫られることになった。

 CentOS LinuxとCentOS Streamは、名前こそ似ているものの別モノである。RHELのアップストリームに当たるCentOS StreamはRHELと同様のソフトウエアパッケージバージョンポリシーを採用しているため、ソフトウエアのバージョンがどんどん上がってしまうようなものではなく、比較的安定志向のディストリビューションではあるものの、RHELのダウンストリームであったCentOS Linuxの代替にはなり得ないケースも多い。

 いくつかの選択肢の中で最も推奨されるのが、CentOS Linuxの親とも言えるRHELへの移行である。「企業や組織がアプリケーションサービスを展開するには、OSを含めたプラットフォームが堅牢であることがなによりも重要です。RHELはCentOS Linuxとは違って有償ですが、ただの問い合わせ窓口ではなく、製品として修正の提供も含めた技術サポートが受けられるなど多くのメリットがあり、自社ビジネスとお客様に対して責任のある企業が検討すべきCentOS Linuxの移行先として最も適切と考えます」と、レッドハット製品を取り扱うSB C&Sの加藤学氏は説明する。

SB C&S株式会社<br>ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部<br>テクニカルマーケティングセンター ビジネス開発課<br>テクニカルフェロー<br>加藤 学 氏
SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部
テクニカルマーケティングセンター ビジネス開発課
テクニカルフェロー
加藤 学 氏

 次のページで、RHELのメリットや移行のポイントをおさらいしてみよう。

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