コロナ禍で高まる、カスタマーサポート担当者への要求
顧客満足度をいかにして高めるか――。これは企業にとって永遠の課題である。特に最近は、コロナ禍で対面による顧客対応が難しくなっている。そのため「電話」「メール」による窓口が、これまで以上に重要な役目を果たすようになってきた。ここに寄せられた顧客からの問い合わせに、迅速かつ的確に対応することが、企業の顧客満足度に大きな影響を及ぼす時代が来ているのだ。
例えば、問い合わせがある度に1から聞き直していては、顧客は何度も同じ説明をしなければならず満足度が低下してしまう。たとえオペレーターが入れ替わっても、そこまでの経緯や要望を引き継いだ上で、シームレスなサービスが提供されることを顧客は期待している。それには、過去の対応履歴や商談の経緯などを統合的に管理し、オペレーターがいつでも確認できるような仕組みが必須になるだろう。
ただ一方で、難しい問題もある。それが機微情報をどう守るかということだ。
いかに対応品質向上のためでも、保有する顧客情報のすべてをオペレーターに開示することはセキュリティ上の問題がある。情報の閲覧権限を適切に設定・管理し、必要十分な情報だけにアクセスできるようにすることが不可欠だ。
つまり、現在の顧客対応窓口における満足度の向上とセキュリティ上の要件は背反する関係にある。情報が足りなければ適切な対応は難しいが、与えすぎても情報保護の問題が生じる。この問題をどうクリアすべきなのだろうか。
この問いと向き合う上で、ぜひ参考にしたいのがヤフーのケースだ。ITベンダーのMuleSoftと共に、顧客情報へのアクセスを厳しく制限・管理しながら、オペレーターが求める情報を確認できる仕組みを実現した。同社がこれを目指した経緯とその効果について、次ページ以降で見ていこう。