IT改革を進化させる「しんかプロジェクト」
家庭用の体温計でおなじみ、心臓カテーテル(医療用細管)や人工心肺装置などの医療機器・医薬品で高いシェアを持つ、1921年設立の100年企業のテルモ。
同社は2015年から、グローバルガバナンスの確立と並行して、ITシステムの改革に取り組んできた。SAPのグローバル展開、Microsoft 365のグローバル統合、情報セキュリティの刷新、デジタル化推進、グローバル人財の育成が主な柱である(下記図参照)。
このうちSAPに関しては、2015年にプロジェクト方針を策定したのち、2016年からフィット&ギャップ分析、全体設計、パラメータ設計、テストなどを進め、2018年5月に「SAP S/4HANA」で構築した新しい物流システムを稼働させている。
その後、「Design to Operate(設計から運用まで)」をコンセプトとして掲げるSAPのデジタルサプライチェーン・ソリューションの中から、最適な需給計画の立案を支援する「SAP Integrated Business Planning(IBP)」なども導入し、2022年夏現在で、物流、需要計画、供給管理、生産管理、会計・経理、調達などの業務でSAPのソリューションを活用中だ。また、ハードウエアプラットフォームは自前で構築するのではなく、SAPが運用も担うPaaS型の「SAP HANA Enterprise Cloud(HEC)」を使って運用負荷の軽減を図っている。
2018年のSAP S/4HANAの稼働から3年後の2021年より同社が推進しているのが、「しんかプロジェクト」である。「しんか」とは「進化」を意味し、プロセス改革をさらに進化させようという取り組みだ。
しんかプロジェクトの狙いは3つ。①業務効率化推進、➁新技術活用、③バージョンアップ短期化である。
テルモのSAPを用いたIT改革、しんかプロジェクトについて、テルモの元CIOで現アドバイザーの竹内 克也氏にその背景や課題、進捗状況を聞いた。

アドバイザー
竹内 克也 氏
