リソースが少ない中、迅速・安全・確実に進めなければいけない

 長年、日本企業の基幹業務を支えてきた「SAP ERP(ECC6.0)」。サポート終了が2027年に迫る中、ユーザー企業では次期システムへの移行が急務になっている。

 既存の業務を維持するのみならず、新たな価値を生み出すためには、システムの性能や可用性、運用性、コストなど様々な点を踏まえて移行先を検討する必要がある。移行先候補の筆頭となるのが「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)だ。インメモリ技術による圧倒的な処理性能を持ち、クラウド対応も可能なS/4HANAは、次世代の業務基盤として多くの企業に選ばれている。

 一方、その際に障壁になるのが移行の難しさだ。アーキテクチャが一新されたため、既存のアプリケーションやデータを移行する上では事前のアセスメントや評価、改修が必要になる。当然、業務への影響を抑えるためのテストも不可欠だ。SAP特有の機能や用語も多く、一連の作業には多くの知識とノウハウが必要になる。折しも、経験豊富なSIerは同じ悩みを抱える顧客の対応で忙しく、なかなかつかまらない。この状況で、安全・確実なシステム移行を短期間のうちに完遂しなければならないのである。

 日産自動車(以下、日産)も、この問題に直面した企業の1社だ。そこで同社は、イスラエルのソリューションベンダー、Panayaが提供するS/4HANA移行ツールを採用。これを駆使することで、全27あるSAPシステムのアセスメントや改修、移行を大幅に効率化した。

 グループの次世代業務を支える基盤を、今まさに構築しようとしている日産は、S/4HANA移行プロジェクトをどのように進めているのか。同社とPanayaのキーパーソンへの取材を基に、SAPシステム刷新のコツ、成功の勘所を紹介する。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。