難易度は高いが、やらなければならない
いまやクラウドは特別なものではなくなり、多くの企業に活用が浸透している。コロナ禍を経たニューノーマル時代、重要性はさらに増しつつあるといえるだろう。
ただ中身を見てみると、システムによってクラウド活用の進捗度合いには差がある。社内外のコミュニケーションやコラボレーションを支える情報系システムのクラウド活用は多くの企業が進めているだろう。一方、基幹系システムのクラウド移行については、まだ二の足を踏む企業が多いのが実情ではないだろうか。
理由はいくつか考えられるが、筆頭といえるのが難易度の高さだ。ダウンタイムを最小化するためのノウハウや、事前準備を含めた高度なプロジェクト管理スキルが求められる。特にSAPシステムの移行では、より専門的な知識も必要になるため、共に進められるパートナー選定が重要となる。結果、「余計なリスクを背負ってまで、まだ動いているものを変える必要はない」という消極的先延ばしムードが蔓延している。
しかし、レガシーな基幹系システムで新たなビジネス価値を生み出すことは困難だ。DXを遅滞させないためには、クラウド移行を含めた、基幹系システムのモダナイゼーションを推進することが日本企業の喫緊の課題といえるだろう。
必要なアクションや手順を知るには先行事例に学ぶのが望ましい。今回紹介したいのが、大和ハウス工業だ。同社は、2012年という早い時期からフルクラウド化を目指して取り組みを展開。2014年のカットオーバーを機に、多くのビジネス成果を創出し、現在も進化を続けている。
同社はどのような戦略のもとでフルクラウド化を進めてきたのか。当時の同社CIOで、現NPO法人 CIO Loungeの加藤 恭滋氏に話を聞いた。