クラウド活用のボトルネックとなりがちなネットワークを変革
江戸時代・嘉永年間に襖や屏風、障子を設える表具師として創業したサンゲツ。現在は壁装材・床材・ファブリックなどのインテリア事業、門扉・フェンス・カーポートなどのエクステリア事業、また、これら材料の販売に加え、空間のデザイン・施工を担うスペースクリエーション事業まで、一般住戸から学校などの公共施設や商業施設に至るまで、人々の豊かな暮らしのための事業をワールドワイドに展開する。同社は、内装材の販売・提案にとどまらず、調達から商品開発、提案、配送、施工に至るまで、より複合的かつ高度な能力を持ち、顧客ニーズをとらえた空間を提供する「スペースクリエーション企業」を目指している。これまでのモノを売る会社から、空間を創造し、コトを提案・実現する会社へと事業モデルを転換することで、高い価値を提供しようとしているのだ。
こうした事業活動の基盤となるのがICTだ。同社は基幹システムや各種業務システム、ネットワークを定期的に刷新し、業務のニーズに合わせて最適化してきた。基幹システムは長年、メインフレームを運用、改修を重ねてきたが、ERP(SAP)に刷新。それまでの本社内での運用から、クラウドサービス利用へと転換し、2018年10月から新基幹システムの稼働を開始している。
また、従来はオンプレミスで構築・運用していたグループウェアや営業支援システムも順次SaaSに移行。だが、「本社と全国に展開する約90拠点の支社・営業所を結ぶネットワークやインターネットへの通信がボトルネックになったり、メインとサブのネットワーク構成によって運用コストが割高になったりするなど、様々な問題が発生していたのです」と同社の石田 義博氏は打ち明ける。
セキュリティの観点から、営業所はインターネットに直結しておらず、本社経由でアクセスしていた。そのため、万が一、本社側の通信回線やネットワーク機器が障害を起こした場合、営業拠点はグループウェアを含めたインターネットが使えず、業務が停滞するという危険性もあった。
こうした既存のネットワークの課題に対応するため、サンゲツではクラウドを含めてネットワークを変革し、コスト削減と同時にセキュリティの強化を実現している。具体的な方法を次ページで紹介していく。