変化の時代、アイデアとスピードを生かせる企業にこそチャンスあり

 ほんの3年前を振り返っていただきたい。新型コロナウイルスによるパンデミックやロシアのウクライナ侵攻などが、世界中の企業のビジネスや経済に深刻な影響を及ぼすことを誰が予測できていただろうか。それほどまでに劇的に変化する経営環境を見通すことは難しい。同様に今後も予測不能の様々な出来事が混乱を巻き起こす可能性は十分にあるだろう。

 ただし、これは企業にとってリスクばかりではなく、チャンスでもある。世の中が激しく変化する時代ほど、既存の業界の勢力図や既成観念にとらわれない新しいビジネスやサービスを創出し、一気に市場を広げることも可能となるからだ。これは大企業だけに限った話ではない。実はフットワークの軽い中堅・中小企業こそ、チャンスは大きいのである。

 たしかに以前であれば新しいビジネスを立ち上げようとすれば、その業務を支えるITシステムを構築しなければならず、多大な投資が伴い人員の配置も必要となるなどハードルは高かった。しかし今はクラウドがある。そこにはインフラだけでなく、データベースからアプリケーションまで必要な道具はすべてそろっているため、最小限のリソースで新たなビジネスやサービスを立ち上げることが可能だ。

 しかも失敗しそうなら、損失が膨らむ前にクラウド上で調達したシステムを解約して撤退することもできる。このようにアイデアとスピードを武器に勝負をかけられるのであれば、意思決定が早くてフットワークの軽い、小回りの利く組織(中堅・中小企業)が有利なのは自明の理といえるだろう。実際にクラウドのメリットを最大限に活用することで、新しいサービスやビジネスを展開している企業も少なくない。次ページ以降では、2つの中堅・中小企業の事例を紹介したい。

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