経理部門に、大きな変革が訪れている。電子帳簿保存法(電帳法)の改正により、令和4年1月1日以降、電子取引の帳票類を印刷して紙で保管することができなくなった。また、2023年10月1日から実施される予定のインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応も必要になる。
「いずれもシステム対応が必要なので、経理は大変な状況になります。仲間内では“経理の魔の2年”と呼んでいます」と税理士、米国公認会計士で辻・本郷 税理士法人 特別顧問 猪野茂氏は語る。

猪野 茂 氏
辻・本郷 税理士法人 特別顧問(税理士、米国公認会計士) 辻・本郷 ITコンサルティング 取締役
改正電帳法に対応するには様々な課題がある。例えば、電子取引データには納品書、検収書など様々な種類があり、経理部のみの対応では済まない。また、建設業法など個別の業法と電帳法では保存要件が異なる場合があり、確認や調整が必要だ。インボイス制度についてもやるべきことは多い。まず請求書の発行者/受領者に分けて対応を進める必要があり、システムのリプレースや業務フローの再構築の検討が必要となる可能性もある。
インボイス制度開始後、請求書を電子データでやり取りするとなると、当然電帳法上の電子取引に該当する。インボイスについて紙と電子取引を混在させて処理をすると、複雑なオペレーションを強いられることになる。それを避けるためには、すべてを電子取引に寄せていく必要があるのだ。
しかし、これまでの業務フローを変えるとなると検討事項が多く、その労力は多大なものとなる。そこで重要なのは、ゼロからフローを考えるのではなく、他社事例などのベストプラクティスを活用することだ。
次ページでは、その1つとしてウイングアーク1st 経理財務部での、大幅な効率化を実現した取り組みを紹介する。