工場ネットワークのトレンドが変化
工場のデジタル化の期待がますます高まっている。センサーや機器の情報を分析すれば、品質の高いものづくりが進み、生産性や作業者の安全性を向上させることも可能だ。
このデジタル化を加速させるインフラが「クラウド」である。膨大なデータを効率的に管理し、最新のAIや機械学習もタイムリーに使えるからだ。ただし、そのためには工場でのインターネット利用が大前提になる。
こうしたことから、インターネット接続環境のトレンドが大きく変わりつつある。以前は本社のIT系ネットワークを経由する形態が多かったが、最近は工場から直接外部接続を求めるニーズが高まっているのだ。
たとえば、「生産設備をリアルタイムに監視し、設備の稼働状況を見える化したい」といったケースはその1つだ。データ量が増えるため、既存のIT系ネットワークを経由したアクセスでは、十分なパフォーマンスを確保することが難しい。また、「クラウドのマネージドサービスを利用して、生産性向上や設備の故障予知につながる予測モデルの仮説検証にチャレンジしたい」「クラウドにデータを集約し、出荷後の製品トレーサビリティに役立てたい」「クラウド型のCADソフトを使って現場のリモートワークを推進したい」といったニーズも増えている。
工場から直接接続のネットワークなら、IT系のポリシーやルールに左右されず、やりたいことがすぐにできるわけだ。
一方、これによって新たな課題も発生する。IT系ネットワークを経由しないため、ネットワークセキュリティーは工場側で別途考えなければならないからだ。クラウド活用を前提にした工場のネットワークセキュリティーとはどうあるべきか。次ページ以降で詳しく考察したい。