日本にいながら世界中のITリソースを活用 あるインド企業がもたらす価値
日本企業は近年、デジタル変革の推進に尽力してきた。しかしながらIT人材不足、適切なIT環境の整備ができていないことが起因し、思うように進められていない企業も多い。加えて、アナログ管理が企業文化として染み付いていた場合、最先端のシステム導入がされても、その先のビジネスモデルの変革までにつながっている企業は多くはない。デジタル変革の推進に向けて今まさに、根本から体質を改善しなければならないところまで来ている。
外部のリソースを活用し体質改善を、と言われるが、日本のIT人材不足、とりわけ高度な技術を有する人材の獲得は困難を極めている。一方、欧米ではITの技術やアート思考も併せ持つSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematicsの頭文字)人材の育成や活用が以前から叫ばれており、また今では多くのSTEAM人材の取り込みを、国境をまたいで進めているという。そうした人材を日本企業でも活用できるパートナーを探してみると、1つの企業にたどり着いた。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)は、インドに本社を置く世界的ITサービス企業、タタコンサルタンシーサービシズ(以下、TCS)の日本拠点である。日本TCSは事業変革を模索している企業と真摯に向き合い、実装に移す取り組みを支援する。その中心となっているのが、課題解決や新規ビジネス創出を目指す企業と、同社が持つグローバルな知見やノウハウを融合させるイニシアティブ、「TCS Pace™」だ。同社内に設けた共創イノベーションハブTCS Pace Port™ (TCSペースポート)Tokyoを訪れ、リーダーに話を聞いた。

現場が腹落ちする「ビジネス改革につながるたくさんの引き出し」
日本TCS 副社長執行役員 チーフデジタルイノベーションオフィサー(CDIO)の中村哲也氏はコーポレート・トランスフォーメーション(以下CX)、すなわち「企業が大胆かつ継続的に取り組む事業変革」が日本の産業力強化に直結すると話す。
「日本企業の特徴として、現場の力が強いことが挙げられます。そのため、デジタル化や産業変革を推進していくためには現場が“腹落ち”する施策が重要です。逆に言えば、どんなに良い施策でも現場が腹落ちしないと効果が低くなってしまいます。
TCSには質量ともに圧倒的なIT人材を輩出するインドのバックボーンがあり、またアイデアをビジネスソリューションに落とし込むたくさんの“引き出し”があります。大胆で不断な事業変革を推し進めていくには、ただ課題を引き出すだけではなく、日本企業の特性に寄り添い、ビジネスに転換するまで、共に汗をかくパートナーも重要です。パートナーが伴走することで、自らが実行できる手応えを実感することができます」(中村氏)。

中村氏によれば、IT人材の不足を補うため、最近ではTCSのようなグローバルのリソースを活用する企業が徐々に増えてきているという。
「これらの企業は、我々と大きな変革を行なうことに対してコンセンサスを取り、スモールスタートから始めています。最初はなかなか上手く行かないこともありますが、重要なのはエンゲージメントであり、お客さまとがっぷり四つに組むことを常に心がけています」(中村氏)。