今後のデジタル化を見据え、現行SAP ERPをRISE with SAPへ刷新

 100年以上の歴史を持つセメント製造事業を通じ、社会インフラの整備・発展に貢献する住友大阪セメント。高度な技術力と徹底した品質管理で良質のセメントを安定供給し、リサイクル品の受け入れ拡大など循環型社会の実現にも大きく貢献している。

 これらの事業を支えるグループ基幹システムとして、同社は2007年よりSAP ERP(ECC6.0)を導入し、会計・購買・販売系業務などに活用してきた。これにより業務の標準化は進んだものの、周辺システムが分散化。オンプレミスでの運用だったため、運用管理の負荷も増大していたという。

藤本 裕教 氏
藤本 裕教 氏
住友大阪セメント株式会社 企画部 システム企画グループリーダー

 「会社としては多様なデータを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)やデータドリブン経営の実現を目指していますが、現状では各事業部のデータをタイムリーに活用することが難しい状態でした」と同社の藤本 裕教氏は振り返る。しかも、同社が利用する現行SAP ERPは2025年12月に保守停止を迎える。「それまでに新環境に移行することが急務となっていたのです」(藤本氏)。

 新環境の構築は今後のDX化を見据えて方針を決めた。「アプリケーションをSAP ERPからSAP S/4HANAへ刷新するとともに、その基盤には最新のSAPクラウド基盤であるRISE with SAPを採用することにしました」と藤本氏は説明する。

 RISE with SAPはSAP S/4HANAを含む多彩な機能を実装するプラットフォーム。RISE with SAPを活用することでDXを支える基盤を実現、SAP S/4HANAの価値を最大化し、運用やコストも最適化することが可能だ。

 とはいえ、RISE with SAPへ移行した企業は、その当時はそれほど多くなかった。同社では、どのような移行方法やパートナーを選定したのか。次ページ以降では、苦労したポイントや移行によるメリットなども含めて見ていきたい。

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