科学機器や産業機器、病院・介護用品などを扱う総合商社のアズワンは、多品種少量のクイックデリバリーに対応する適正な在庫モデルを構築するため、受注予測にAIを活用することを構想。「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」を利用してプロトタイプとなるモデルを開発した。プロジェクトチームには、社内DXの推進役として期待される若手メンバーが参画。データ分析の手法を実践的に習得する格好の場としても機能した。

膨大な商品群の受注予測にAIを活用したい

 科学、産業、医療・看護など幅広い分野で必要とされる理化学機器を販売する総合商社のアズワンは、カタログや自社ECサイトで約630万点にも及ぶ商品を取り扱う。「一体となって」を意味する“as one(アズワン)”の社名が示す通り、仕入先であるメーカーと全国1万3000拠点以上の販売店、エンドユーザーを1つにつなぎ、必要な商品を速やかに提供するのが同社の使命だ。そのために業界最高水準のロジスティクス体制を整え、全国をカバーする国内4カ所の物流センターでは、ニッチな専門商品も含む膨大な種類の商品をストック。少量の注文でも当日発送を基本とする物流サービスは、販売店の在庫管理の負担軽減にも貢献している。

福田 智宏氏
福田 智宏氏
アズワン株式会社 執行役員 DX推進本部 DX推進本部長

 近年、そんな同社を悩ますようになったのが、扱う商品アイテムの増加に伴い、物流センターの保管倉庫が圧迫されるようになったことだ。「在庫を適正化することは当社にとって非常に重要なテーマで、購買部門の担当者が短期・長期の受注予測をしていますが、商品の種類が600万点台にもなるとその作業は容易ではありません。予測以外にも多様な業務を抱える担当者の業務負荷を減らすとともに、豊富な経験を持つベテラン担当者にしか受注予測ができないという属人化した状況を解消する必要がありました」と話すのは、アズワンの福田 智宏氏だ。

 新型コロナウイルス感染症が拡大して以後は、看護・介護用品を中心とする商品ニーズが一気に増大。受注品を確実に供給でき、なおかつストックが過剰にならない適正な在庫調整をする重要性がいっそう増したことから、多品種少量のクイックデリバリーを可能にする在庫モデルを構築するためのAI活用を検討するようになった。同社は早くから働き方改革を推進し、そのための社内チャットやWeb会議システムを整備するなど、社会で広くDXがいわれる前から業務効率を高めるためのデジタル化に積極的に取り組んできたという。

 「しかし、データサイエンスの知見までは培っていませんでした。AIを活用するにはどうすればよいだろうかと考えていたところ、デル・テクノロジーズの担当者からタイミングよく『中堅企業DXアクセラレーションプログラム』が開催されることを教えていただき、迷うことなく参加を決めました」(福田氏)

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