9割以上の企業が「在宅勤務のほうが生産性が低い」と回答
新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業の働き方に大きな影響を与えた。コロナ禍にはテレワークが半ば強制的に広がり、コミュニケーションツールをはじめとするICTの利活用が急速に浸透した。パンデミックが収束した現在もテレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方を模索する企業が増えている。
しかし、こうした新しい働き方は様々な問題もはらむ。中でも、企業にとって深刻なのが「生産性の低下」だ。経済産業省が2021年2月に公表した「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」によると、オフィス勤務と在宅勤務を比べたときに「在宅勤務のほうが生産性が低い」と回答した割合は企業で92.3%、労働者で82.0%にのぼっている。
なぜ、このような状況が生まれてしまうのか。原因はいくつか考えられるが、特に業務効率を下げる直接の要因となっているのが、オフィスワーカーが利用する「業務アプリの増加」だ。テレワークの環境を急いで整備しようと対処療法的に様々なクラウドツールを導入していった結果、従業員が日々利用する業務アプリの数が増加し、アプリごとに保存された情報を探したり、アプリを切り替えるたびに集中力が途切れたりと、多くの時間が浪費されているのだ。Oktaの調査(※)によるとオフィスワーカーが利用する業務アプリの数は年々増加傾向にあり、2023年のレポートでは1社平均89個に上るという。
また、業務アプリの増加は「チームの分断」という問題も生む。一人ひとりまたはチームごとに利用するアプリが異なると情報検索や情報共有、協業が困難になり、プロジェクトが遅延したり、複数の拠点で重複した仕事が発生したりしてしまう。それを避けるために終日ビデオ会議状態となり、進捗の報告などにさらなる時間を費やすことになる。
こうした問題を根本的に解決するにはどうすればよいのか。次ページ以降では、急速に注目を集める新しいアプローチについて紹介したい。