IT部門も手一杯。デジタル人材育成の現状

 DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業の多くが課題に挙げるのが「人材不足」である。

 背景には、様々な理由があるが、企業がITに求める価値や役割が変化していることも1つだ。例えば、既存の業務プロセスのシステム化が主流だった以前のシステム開発では、ユーザー企業は要件を整理した後の実際の開発作業はシステムインテグレーターに任せるのが一般的だった。一方、DXの一環として、業務プロセスやビジネスの変革を伴うシステム開発は、ビジネスや業務を熟知しているユーザー企業のメンバーの強い関与が欠かせない。トライアル&エラーをスピーディに繰り返したり、変革を継続して成果を高めたりするために、社内の人材を中心とする「内製開発」「アジャイル開発」を取り入れる企業もあるほどだ。多くの企業が取り組むデータ活用についても、「市民データサイエンティスト」「データの民主化」という言葉があるように、ビジネスや業務を知る現場の担当者を中心に取り組む企業が増えている。

 しかし、システムインテグレーターやITベンダーに依存する期間が長かった企業にとって、内製や現場主導のデータ活用は非常にハードルが高い。それが現在の人材不足を招いているわけだ。

 足りなければ育てよう。そう考えIT部門のメンバーを中心にDX人材の育成を進めようと考えたが、IT部門のメンバーは既存システムの運用で手一杯だったという声も聞く。特に中堅・中小企業では、IT部門のリソースが十分ではないため、その問題は深刻ではないだろうか。

 では、社内でDX人材を育成するにはどうすればいいのか。ここでは「IT部門主導ではないDX人材育成」に成功した国内事例を紹介する。

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