複雑化した金融基幹系システムで外部連携が必須に

 様々な業種・業界の中でも、先駆的なデジタル活用が進んでいる業界の1つである金融業界。メガバンクや大手保険会社はもちろんのこと、中堅・中小の金融機関においても、競争力強化に向けたデジタル活用が不可欠になっている。

 多くの企業がデジタルを駆使した金融サービスの創出に向けて取り組んでいる。また同時に、既存ビジネスの安定性や業務効率を一層高めることも重要なテーマだ。「攻め」と「守り」の両面でデジタル活用を進めることが、これからの金融機関のビジネスの前提条件といえるだろう。

 農林水産業の協同組織を基盤とする全国金融機関である農林中央金庫も、まさに今そのようなDXの取り組みを加速しているところだ。

 同金庫はJA(農業協同組合)、JF(漁業協同組合)などを会員として、融資や預金管理、各種資産運用などを担う協同組織の全国金融機関である。基幹系システムである「金庫プロパーシステム」では、勘定系、国際系、証券系など計140以上の業務システムが構築・展開されてきた。

上原 崇氏
上原 崇氏
農林中央金庫 事務・ITユニット IT統括部 副部長

 「一方、近年はSaaSをはじめとするクラウドの活用を加速する機運が高まっています。スムーズな業務の実現に向けては、既存のプロパーシステムとクラウドサービスを柔軟に連携させる必要がありましたが、そのための仕組みがありませんでした」と同金庫の上原 崇氏は振り返る。

 システム間連携に向けて、大量の既存システムを一つひとつ改修するのは現実的ではない。そこで同金庫は、変化に即応するためのシステム連携を担う「APIプラットフォーム」を新たに構築することにした。

 同金庫が選んだ方法と、実現した環境とは。次ページで詳しく紹介する。

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