多様なクラウドサービスで利便性が向上した一方で課題も

 ここ数年、日本企業でクラウドサービスの活用が進んでいる。総務省の「情報通信白書(令和4年版)」によると、「全社的に利用している」企業は44.9%に上り、「一部の事業所又は部門で利用している」を合わせると7割を超える。人事管理や勤怠管理、経費精算、年末調整などの分野でもSaaS型クラウドサービスが次々に登場し、バックオフィス業務の効率化をサポートしている。しかし、こうした個別業務が便利になった半面、課題も浮上している。

 ユーザーである従業員はその都度サービスを立ち上げてログインする必要があり、面倒と感じている人が少なくない。一方の人事や経理などの担当部門にとっては、個々のサービスをそれぞれ管理しなければならない。一つひとつの管理負荷は小さくても、利用するクラウドサービスの種類が増えるとトータルの手間は相当の量になる。

 ユーザーの手間と担当部門の手間は密接に関係している。例えば、複数のクラウドサービスを使っているユーザーが、特定の業務をどのサービスで実行すればいいのか分からないことがある。その場合には、担当部門に問い合わせれば解決するだろう。しかし、結果としてユーザーと担当部門の双方に手間が発生することになる。ユーザーも担当部門も、こうした業務にかける時間を最小化してコア業務に集中したいはずだが、なかなか思うように行っていないケースが多い。

 もともとバックオフィス系のクラウドサービスは、ユーザー、担当部門ともに、手間のかかるバックオフィス業務を効率化するために導入したはずだが、その種類が増えたために、別の意味での非効率が生じているという現実がある。この問題に対して、どのような解決策を講じればよいのだろうか。次ページ以降で、個別ログインの手間や管理の煩雑といった課題を解決する方策について紹介する。

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