これまでのカルチャーを変革し、新領域に挑戦へ
日本取引所グループ(以下、JPX)のデジタル戦略子会社として、2022年4月に誕生したJPX総研。同社は、グループの長期ビジョン「Target 2030」の実現に向け、次世代の取引所のビジョン・概念の具現化に向けた様々な施策を推進。その一環として、クラウドをベースにデータ・デジタル事業基盤を構築し、新たなサービス・事業の創出を進めている。そのデジタルビジネス戦略と金融商品市場の未来について、同社 常務執行役員の多賀谷 彰氏と同グループの変革を支援するアマゾン ウェブ サービス ジャパンの飯田 哲夫氏に話を聞いた。
金融商品市場を取り巻く環境はどのように変化していますか。
多賀谷 取引所の事業の根幹は、上場企業と投資家をつなぎ、有価証券の「上場」「売買」「清算・決済」といった市場機能を公正かつ円滑に提供することです。
一方で、金融商品の多様化やセキュアで高速な取引ニーズに対応するため、システムによる取引処理が大前提となっており、全体としてIT装置産業化が進んでいます。技術革新や社会的要請を背景に、市場にまつわる情報やデータの重要性も高まっており、サービスの質的・量的拡充と活用しやすさが強く求められています。海外取引所でも、こうした変化への対応が進んでいます。
そうした状況の中でJPX総研が設立された背景について教えてください。
多賀谷 取引所は金融商品市場を支える重要なインフラ。安定的運用が絶対条件ですが、ニーズの変化に対応した新たな価値提供も不可欠です。しかし、取引所本体は金融商品取引法によって、できる業務が限定されています。
これまでもJPXとして、様々なチャレンジはしていたのですが、できることが限られるしスピードも上がらない。そこで新たな挑戦をもう少し柔軟に進められる別会社として、当社JPX総研が設立されたわけです。JPXのデータ・デジタル事業も当社に集約し、デジタル人材の外部採用も積極的に進めています。
デジタル戦略子会社として、どのようなミッションを担っているのですか。
多賀谷 従来の取引所の枠組みにとらわれないカルチャーを醸成し、新しいことにどんどんチャレンジしていく。これは重要なミッションです。そのためにデータ・デジタル事業を推進し、グループ各社の事業支援も行っています。
