SAPのリリースサイクル延長が招いた新たな問題

 企業の基幹系システムとして重要な役割を担っているSAPシステム。「2025年の崖」を越えるため、既に最新製品である「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)へコンバージョンした企業は多いはずだ。インメモリ技術を核とした圧倒的な処理性能で、企業・組織のSoRを飛躍的に高度化する。

 S/4HANAの利用開始後は、SAPが定めたリリースサイクルに則り定期的にアップグレードしていく必要がある。利用企業にとって、このアップグレードサイクルは長いほどありがたい。なぜなら短いサイクルでのアップグレードは、より多くの追加コストとリスクを生む要因になるからだ。これについてSAPは、2022年9月にリリースサイクルとメインストリーム保守期間の延長を発表。2023年以降は、1年ごとだったリリースサイクルを2年ごと、5年だったメインストリーム保守期間を7年へ伸ばすことにした。

 だが、ここで新たな問題が浮上している。それがコンバージョン/アップグレードプロジェクトの集中である。先のSAPの発表を受け、2022年に予定していたプロジェクト開始を2024年に延期する企業が急増。これにより、一時的に市場全体のプロジェクトリソースが足りなくなる可能性が出てきているのだ。

 そもそもSAPプロジェクトは、かねて人依存のプロセスの多さや煩雑さが課題とされてきた。そのままの状態でこの時期にプロジェクトを開始すれば、時間とコストを延々消費し続けることにもなりかねない。今こそ、コンバージョン/アップグレードプロジェクトそのものの在り方を見直し、大きく効率化に舵を切ることが肝心だ。

 実は、グローバルでは既にそのための方法が広く知られている。「Panaya」のソリューションの概要と効果を次ページで紹介しよう。

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