多彩なビジネスソフトウエアやソリューションを提供するSAP。その年に1度のテクノロジーイベントである「SAP TechEd」(テックエド)が2023年11月に開催され、最新の戦略やテクノロジーに関する情報がいくつも発表された。そして同イベントに続いて開催されたのが、特に日本の市場で重要となる最新テクノロジーを総括した「SAP TechEd Japan(2023/12/06開催)」だ。
SAP TechEd Japanの講演の中心となったのは、「生成AIへの対応」「Clean Core戦略」「統合戦略」の3つである。生成AIなどの最新テクノロジーを用いて、SAPはパートナーのビジネスをどのように進化させ、伴走支援をしていくのだろうか――。SAPジャパンの2人のキーパーソンに、3つのキーファクターの詳細とAI戦略などについて聞いた。
「生成AIへの対応」によって、SAPはどのような価値を提供できるのか?
2023年の「SAP TechEd」は11月2~3日の両日、インドのシリコンバレーと呼ばれるベンガルール(バンガロール)で開催された。SAPの最新戦略や様々な最新テクノロジーが発表されることで、毎年注目度の高いイベントだ。
「日本からも多数のお客様やパートナー様にご参加いただき、活気のあるテクノロジーイベントとなりました」と振り返るのは、SAPジャパンのバイスプレジデントで、カスタマーアドバイザリ統括本部 統括本部長の織田新一氏である。
今回も、SAPソリューション全体にわたるシームレスなUXを提供する生成AIアシスタントの「Joule」(ジュール)、生成AIによってアプリケーション開発を高速化する「SAP Build Code」、ERPなどから生成AIにインプットされるデータを最適化する「SAP HANA Vector Engine」(ベクトルエンジン)など、多様な最新テクノロジーが披露された。
これらの内容から明らかなのは、「生成AIへの対応」が飛躍的に進んだことだ。
「SAPは当社の製品のみならず、企業が利用するすべてのアプリケーションやソリューションを結合し、ビジネスプロセスをエンドツーエンド(E2E)で自動化および高度化することを目標に掲げてきました。生成AIへの対応は、その実現に近づくための手段です。今回の『SAP TechEd』は、単なる最新テクノロジーの紹介にとどまらず、生成AIを使ってSAPが実現したい世界観そのものを発表する場となりました」と語るのは、同社ビジネステクノロジープラットフォーム事業部 事業部長の岩渕 聖氏である。
SAPが生成AIへの対応を強化することで、パートナーとなるユーザー企業はどのようなベネフィットを享受できるのか? 織田氏と岩渕氏に、さらに掘り下げて聞いてみた。