アジャイルによる内製開発に潜む「落とし穴」とは
競争優位の獲得に向け、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増えている。DXの本質はデジタル技術の活用によって組織構造を変革し、新たな価値を継続的に提供することだ。そのためには市場ニーズやビジネス環境の変化をとらえ、提供する製品やサービス、それによって得られる顧客体験を機敏にアップデートしていく必要がある。
その実現を支えるキーワードとして、近年「アジャイル」の注目が高まっている。アジャイルは、計画・設計・実装・テストといった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返す開発手法。開発スピードが上がり、サービスのリリース期間も大幅に短縮できる。経済産業省が発表した「DXレポート2」でも、今後は従来の受託開発に替わって、アジャイル開発による内製化が主流になる可能性が示されている。
しかしアジャイル開発は、これまで主流だったウォーターフォール型開発とはまったく異なる。ウォーターフォール型は基本的に一度決めた仕様を途中で変更することはしないが、アジャイルは開発途中の仕様・要件変更に柔軟に対応していく。ここが一番の違いだ。
まずメンバーのマインドから変えていかなければならない。プロジェクトの進め方、チーム編成や全体のマネジメントの仕方も変わってくる。このハードルを越えられず、アジャイルへの変革に頓挫したり、形ばかりの“なんちゃってアジャイル”になったりすることも少なくない。
そんな中、アジャイルの本質を理解し、開発文化の変革に成功した企業がある。パナソニックグループでBtoBソリューション事業を担うパナソニック コネクトである。新規プロジェクトをフルアジャイルで完遂した。
同社はいかにしてアジャイル開発への変革を成し遂げたのか。その軌跡と成功のポイントについて紹介したい。